
現代においてFAXがどの程度利用されているかご存知でしょうか?
2019年5月に総務省が発表した全国の16,255 世帯に調査した「通信利用動向調査」によると、各世帯でFAXを保有・利用している世帯は34%に上ります。
この調査は個人における利用割合を示していますが、業種によっては企業にとってもFAX重要な通信手段です。
また、企業間取引の場合でも、日本には手書き文化が色濃く残っていますので、FAXはまだまだ現役という企業も多いのではないでしょうか。
一方で先の調査では、個人でモバイル機器を保有する人は84%で、中でもスマホを保有する人の割合は64.7%でした。
今の日本では家庭でも企業でもアナログとデジタルが混在するのが現状といえそうです。
そのような中、多くの人が持つスマートフォンとFAXを組み合わせ、従来のFAXの弱点を克服した新たなサービス「スマホFAX」が誕生しました。
スマホFAXによって、いつでもどこでもFAXを送受信でき、送受信した内容も確認できるようになります。
本記事では、アナログとデジタルが融合した通信手段であるスマホFAXについて解説します。
目次
スマホFAXとは
スマホFAXとは、簡単にいえばスマートフォンとFAXを組み合わせた通信手段です。
従来のFAXが持つ弱点をスマートフォンを活用することでカバーし、より便利な通信手段に変化させました。
スマホFAXと通常のFAXの違い
スマホFAXと通常のFAXの1番大きな違いは、専用の機器・端末を用意する必要があるかどうかでしょう。
スマホFAXは、普段利用しているスマートフォンを利用してFAXの送受信ができます。
通常のFAXでは、送受信ができるFAX機を利用する必要がありました。
FAX機には個人宅にあるような電話機と一体型のものや、企業にあるようなコピー機能も付いた複合機などがあり、設置スペースが必要でした。
また、FAX機の近くにいないと利用することができません。
送信するにはFAX機のトレイに紙の原稿を差し込んで、相手先のFAX番号を入力して送信ボタンを押さなくてはなりません。また、受信した場合には、FAX機から届いたFAXを取って確認しなければなりません。
このように、どうしても場所に縛られてしまう点が、通常のFAXの大きな弱点といえます。
しかし、FAXが必要となる場面は多く残っているのが現状です。そこで登場したのが、FAXをより便利に活用することができる「スマホFAX」です。
スマホFAXの使い方
スマホFAXは、従来のFAXと違ってスマホでFAXの送受信を行える便利なツールです。スマホFAXの使い方には、ウェブブラウザを利用する方法と、アプリで操作する方法の2種類あります。ここでは、それぞれの操作の仕方について解説します。
ウェブブラウザで操作する
スマホFAXはウェブブラウザから操作することが可能です。契約しているインターネットFAXのサイトからログインし、FAXの送受信を行います。操作の流れは以下の通りです。
- スマホから契約しているインターネットFAXのサイトにアクセス
- ログインする
- 送信や受信などのメニューを選ぶ
- 送信する場合は、送信先のFAX番号入力や書類のアップロードを行う
- 送信ボタンを押してFAXを送信
- 受信の場合は、受信メニューからデータを確認する
※詳しい操作方法はサービスごとに異なりますので、ご確認ください。
ウェブブラウザで操作する場合、アプリなどをインストールする必要がなく、スマホ・PCなど複数デバイスからアクセスできます。また、送受信データでスマホストレージが圧迫されることがありません。
ただし、スマホの場合、画面が小さいことからボタンが押しにくいことや、毎回ログインし直す必要があるなどの使いにくさがあります。
アプリで操作する
スマホFAXはアプリを導入すれば、アプリ上から簡単に操作できます。UIや操作性がスマホの操作に最適化されているのが特徴です。操作の流れは以下の通りです。
- スマホFAXアプリをインストールする
- アカウント登録やログインを行う
- 送信や受信などのメニューを選ぶ
- 送信する場合は、送信先のFAX番号入力や書類のアップロードを行う
- 送信ボタンを押してFAXを送信
- 受信の場合は、受信メニューからデータを確認する
※詳しい操作方法はサービスごとに異なりますので、ご確認ください。
スマホFAXのアプリは、スマホに最適化されているため画面が見やすく直感的に操作できます。一度ログインすれば、基本的に再ログインの手間はかかりません(ただし、セキュリティ向上のため定期的なログインが必要なこともあります)。また、プッシュ通知に対応していれば、FAXの受信を即座に確認できます。
このようなことから、スマホFAXはアプリで利用するのがおすすめです。
スマホFAXのメリットとは
スマホFAXを導入する一番のメリットは、スマートフォンさえあればFAXの送受信が可能になるということです。
手書きの文書の写真をスマートフォンで撮って、メールに添付して送るという場面は、人によってはしばしば発生するのではないでしょうか。
しかし、文書を届けたい相手がメールアドレスを持っていない場合には、手紙やFAX送信が必要となります。
このとき、メールを送るのと同じような手軽さででFAXを送ることができるのがスマホFAXです。
スマホFAXなら、手元で簡単にFAX送信ができますので、スピーディーかつ安全に、相手に文書を送信することができます。
反対に、相手から届いたFAXを、FAX機のそばにいない状況でも確認することが可能になります。
上記がスマホFAXのメリットの最たるものですが、この他にもメリットが多数あります。
ここから、誰もが得られる主なメリットを従来型のFAX機を使用する場合と比較しながら挙げていきます。
コストパフォーマンスが高い
スマホFAXを使うメリットとしてまず挙げられるのは、従来型のFAX機と比較してコストパフォーマンスが高いことです。
FAXを受信した場合、プリントアウトをせずにスマホの画面上で内容を確認できるので、紙代やインク代が不要です。
通常の連絡で使われる紙・インクを節約できるのはもちろんのこと、FAX番号がホームページなどで公開されていると、その番号を調べた業者がFAXでダイレクトメール(DM)を送ってくることがあるため、そこに含まれる不要な連絡による紙やインクの消費もなくすことにつながります。
また、スマホFAXであれば、FAX機の購入もしくはリース費用、メンテナンス費用も不要になります。
どこでもチェックできる
つづいてのメリットは、スマホFAXはどこでもFAXがチェックできることです。
前述の通り、これまでのFAXはFAX機のそばにいないと使用することができませんでした。
スマホFAXなら、外出中や出張中などオフィスにいないときでも、インターネット通信環境下にいればどこでも受信内容を確認できます。
外にいることが多い営業マンや個人事業主の方など、社内でFAXを確認する時間を十分に取れない場合であっても手元ですぐにチェックできるため、ビジネスのスピードを早めることが可能になります。
ペーパーレス化できる
最後にご紹介するメリットは「ペーパーレス化」です。
これは単に前述のような紙やインクの消費がなくなるというだけでなく、データによってFAXを管理できることによるメリットも含まれています。
これまでの紙のFAXの場合、一度内容を確認して保管したあとに、何かのきっかけで内容を再確認する必要が出たとき、普段から大量のFAXが届く場合は探し出すのが面倒だったり、外出先ではすぐに確認できなかったりといったデメリットがありました。
しかしスマホFAXであれば、内容はデータで管理されるため、相手のFAX番号などで検索すればすぐに目当てのFAXにたどり着けますし、場所や時間を問わずにチェックが可能です。
カメラで手軽にスキャンできる
書類をカメラでスキャンして手軽に送信できる点は、スマホFAXの大きなメリットです。
従来のFAXは、FAX機器に紙のデータをスキャンさせる必要があります。そのため、外出していてもFAX機器が設置されているオフィスまで足を運ばなければいけません。
しかし、スマホFAXならば、手持ちのスマホのカメラで撮影したデータを、そのままFAX送信できます。そのため、外出先・出張先であってもオフィスに戻ることなくFAXを送信できます。また、スマホFAXサービスによっては、自動補正機能が搭載されています。撮影時の歪み・暗さなどが調整されるため、見やすいデータを送信先へ送ることができます。
このようなメリットから、スマホFAXは社員に負担をかけることがなく、業務効率化を実現できるツールであるといえます。
専用回線不要ですぐに利用できる
スマホFAXのメリットとして、専用回線不要ですぐに利用できることも挙げられます。
従来のFAXは、機器の購入とともにFAX専用の電話回線を契約しなければなりません。そのため、手間やコストがかかります。
しかし、スマホFAXはインターネット回線を使用しますので、契約後は比較的スピーディーに導入・利用できます。もちろん、すでに利用しているスマホをそのまま活用できますので、FAX機器の購入も不要です。初期費用を抑えられて手間がかからずスピーディーに利用できるため、個人事業主やスタートアップ企業にとって、スマホFAXは導入しやすいツールといえます。もちろん、既存のFAX環境から移行したいというケースでも、スピーディーにDX化を進められます。
また、電話回線が不要なのでリモートワーク中や出張先であっても、割り当てられたFAX番号をそのまま利用できます。
スマホFAXの注意点
コスパが良くどこででも利用できるなど、スマホFAXにはさまざまなメリットがあります。しかし、実際に利用する際には注意すべきこともあります。ここでは、スマホFAXを利用する上で覚えておきたいポイントを解説します。
スマホのストレージを圧迫する可能性がある
ストレージを圧迫する可能性がある点は、スマホFAXを利用する場合に注意したいポイントです。
従来のFAXでは、印刷された書類が溜まってしまい、「管理場所を確保するのが大変……」と悩むことが多くありました。
実はスマホFAXも、従来のFAXと似たような悩みを抱えることがあります。スマホFAXのアプリによっては、アプリ本体や送受信したFAXデータは、端末のストレージに保存されます。そのため、ストレージを圧迫してしまう可能性があるのです。特に、業務で頻繁にFAXを利用するケースでは、大量のPDFファイルによってスマホの動作に影響がでることもあります。
ストレージ問題を回避するには、定期的に不要なデータを削除する、必要なデータは外部ストレージに移すといったことが必要です。また、クラウドタイプのスマホFAXを選べば、外部ストレージにてデータが保存されて安心です。
FAX番号が変更になる可能性がある
FAX番号が変更になる可能性がある点にも注意が必要です。
従来のFAXは、契約している回線を使用し続けていれば、FAX番号は変わりません。番号ポータビリティ制度を利用すれば、他社へ乗り換えても同じ番号をそのまま使い続けられる可能性があります。
しかし、スマホFAXでは、050番号が発行されることが少なくありません。050番号は番号ポータビリティできませんので、サービスの解約・乗り換え時にはFAX番号を変更する必要があります。
また、従来のFAXからスマホFAXへ乗り換える場合、スマホFAXサービスが番号ポータビリティに対応していないと、FAX番号は変更されます。
このようなことから、長期的に使用し続けるのであれば「050」番号ではなく市外局番付き電話番号を取得できるサービスや、番号ポータビリティに対応しているベンダーを選ぶ方が良いでしょう。
電子帳簿保存法に対応する必要がある
スマホFAXをビジネス利用する場合、電子帳簿保存法へ対応しなければならないことを覚えておきましょう。
発注書や請求書などの国税関係の書類は、一定期間の保存が義務付けられています。従来であれば、紙でそのまま保管しておけるため、それほど気にする必要はなかったことでしょう。
しかし、スマホFAXなどで取り扱う電子データの場合、電子帳簿保存法に則って保存しなければなりません。例えば、タイムスタンプの付与や取引情報の付与、検索性の確保などが必要とされています。そのため、スマホFAXを利用する際は、クラウドストレージと連携し、必要なデータを適切に保存・管理できる仕組みを整えることが重要です。
仕事で使えるスマホFAXサービスの『選び方』とは?
スマホFAXは、従来のFAXの弱点をカバーしているため、連絡方法を変えずともより便利にFAXを活用できるようになります。
しかし、いざスマホFAXを導入しようと考えたときに直面する問題として、多くのスマホFAXサービスの中から自社に合うものを見つけるのが難しい、という点があります。
そこでここからは、仕事で使えるスマホFAXのサービスを選ぶ際の比較ポイントについて詳しくご紹介します。
送受信にかかる費用で選ぶ
送受信にかかる必要は、スマホFAXサービス各社で異なります。
また、一部のサービスでは通常のプラン内に「○枚の送信(または受信)まで無料、それ以上の枚数は1枚ごとに○円」という形で、無料枠が導入されているものがあります。
この点を参考に、自社における送受信枚数の目安を見積もった上で、どのサービスが最も安価に収まるのかを検討する必要があります。
検討の際には、自社の場合にかかる送受信費用+そのサービスの月額利用料金の総額でチェックすることをおすすめします。
ちなみに、スマホFAXの中には、オプションをつけると規定枚数まで送り放題になるものもあります。例として「03FAX」では、月1,000円(税別)で500枚までの送信ができる「使い放題500」というオプションが用意されています。500枚は超えないけれど数百枚程度は使いそう、という場合ならば、1枚ごとに送信料金がかかる他のサービスに比べれば圧倒的に安価に抑えることができます。
取得できるFAX番号で選ぶ
スマホFAXを利用するには、FAX番号を持つ必要がありますが、スマホFAXサービスによって、提供されるFAX番号が異なります。
スマホFAXで取得できる番号としては、IP電話で利用されている050で始まる番号を割り当てられるのが一般的ですが、全国の都市の市外局番が提供されるスマホFAXサービスもあります。
050の番号では不安という場合には、目当ての市外局番の番号が取得できるかどうかをチェックした上でのサービス選びをおすすめします。
使いやすさで選ぶ
スマホFAXサービスを提供する企業は国内外にあります。
海外のサービスも選択肢に入ることも多いですが、その際は「操作画面がしっかりと日本語対応しているか」「サポート体制は万全か、日本語でのサポートを受けられるか」などもチェックしておくと良いでしょう。
国内企業が提供しているスマホFAXであれば、日本語でサポートをしてもらえるので安心です。
無料トライアルの有無で選ぶ
さまざまなスマホFAXサービスを比較して選んだとしても、実際に利用しやすいかどうかは使ってみないことには分かりません。
サービス内容は利用目的に合っていても、操作がしづらいなどの問題が起きることもあるかもしれません。
そこで活用したいのが、多くのスマホFAXサービスが提供している「無料トライアル」です。
気になるサービスがあれば、まずは無料トライアルを提供しているかどうか、そしてその日数や使える機能などをチェックしておき、必ず使用感を確かめておきましょう。
『選び方』をもとにピックアップしたおすすめサービス3選
スマホFAXと一口に言っても、先述の「選び方」で紹介した点をバランス良く備えているものもあれば、いくつかの領域に特化しているものもあるなど多種多様です。
「選び方」で挙げたポイントをもとに、おすすめしたい3つのサービスを以下にピックアップしました。
03FAX
スマートフォンの機能性を生かした専用のアプリケーションが魅力の03FAXは、手軽にスマホFAXを利用できるおすすめのサービスです。
送信はPDFファイルの送信だけでなく、スマートフォンのカメラを使って手元にある文書を撮影して使用することも可能です。撮影したデータは自動補正により、FAX送信しても読みやすいように調整されます。
受信もスマホでチェック可能。200件までがクラウドに保存されます。
スマホだけでなく、専用の端末を使うことで従来のFAX機のような使い方も可能ですし、オプションを追加すればPCからも利用可能です。
費用面では、特徴的なオプションとして毎月500枚まで送信料金が無料になる「使い放題500」を提供しています。月額価格は税抜1,000円、初期費用は税抜5,000円ですが、最初に月額費用を1年分払う「年払い」をした場合には1,200円引きの税抜3,800円となります。
取得できるFAX番号は050から始まるもののほか、全国の主要都市の市外局番から選ぶことも可能です。
提供は国内企業のため、アプリ画面やサポートはもちろん日本語対応。最大30日間の無料トライアルも実施しています。
03FAX
https://03plus.net/03fax/
メッセージプラス
続いてご紹介するメッセージプラスは、スマホだけでなくPCや複合機でも利用できるサービスです。スマホ向けにFAXの管理がしやすい専用アプリを提供しています。
月額利用料金が他社に比べると比較的安く、月単位での支払いなら月額1,045円、年払いをすれば月あたり871円で利用することができます。また、年払いをすれば初回の登録事務手数料が割引され、通常1,100円のところが無料となります。
取得できるFAX番号は050のみなので、その点は要注意です。ただ、この050の番号は受信専用の留守番電話として使え、その内容はスマホ、PCからも確認が可能になります。
こちらも国内企業が提供するツールのため、日本語対応およびサポート体制についても安心です。
メッセージプラス
http://www.messageplus.jp/
秒速FAX
秒速FAXはやや独特なサービス形態を取っており、送信専用の「秒速FAX 送信」と受信専用の「秒速FAX Plus」の2つのサービスに分かれています。
送信と受信、それぞれに特化していることもあり、送信であれば大量のFAXを一度に送信できたり、受信であれば1FAX番号につき2回線が用意されていたりと、機能が充実しています。
送受信を両方使うためには、両方のサービスに登録する必要がありますが、2サービスだからといって費用が割高になるわけではありません。
まず秒速FAX 送信(送信専用)は、入会金や月額利用料とも0円です。送信1枚ごとに費用がかかる仕組みですが、1ページあたりの送信単価は月内に送った総枚数によって変わります。5,000枚までは税込10円、5,0001枚~10,000枚は税込9円などと、送る枚数が多ければ1枚あたりの単価は下がります。
秒速FAX Plus(受信専用)は、入会金と初期費用が税別1,100円で、月額基本料はプランごとに異なり、安いプランでは税別520円。ただしこのプランの場合は受信1枚8円の料金がかかります。一方最も上位のプランは税別1,030円で、このプランであれば何枚受信しても無料です。単純計算で63枚以上の受信ならば、上位プランのほうがお得となります。
取得番号はこちらも050のみ。国内企業のツールのため、日本語対応は万全ですし、サポート窓口も設けられています。
秒速FAX
https://fax.toones.jp/
まとめ
スマホFAXは、従来のFAXの弱点をカバーした新しいFAXの形です。これまで一般的なFAXを使っていて困ったシーンが有る方にとっては非常に魅力的なのではないでしょうか。
スマホFAXのサービスは多岐に渡りますので、各社のサービスを比較検討して、トライアルで十分に試した上で導入しましょう。