インターネットFAXが近年注目を集めていますが、サービス提供会社によって機能や料金プランなどが実に多種多様なために、選び方が難しいサービスのひとつかもしれません。
導入を検討しているものの、各社の特徴や比較すべきポイントが分からない、選び方に迷う、と二の足を踏んでいる企業も少なくないのではないでしょうか。
今回の記事では、最も自社に適したインターネットFAXの選び方について、具体的な各社サービス内容にも触れながらご説明したいと思います。
目次
インターネットFAXの基礎
インターネットFAXとは、従来のFAXのように固定電話回線を利用するのではなく、インターネット回線を利用して送受信を行うFAXサービスです。
従来のような据え置き型のFAX機器は不要で、パソコンやスマホなどのデジタルデバイスを利用して送受信の操作や書類の確認ができます。
普通のFAXと同じようにインターネットFAX専用の電話番号を使って書類を送受信することができますが、紙ではなくデータの状態で取り扱うことになります。
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インターネットFAXを選ぶポイントとは?
様々なメリットがあるインターネットFAXですが、選び方を間違えると「思ったより費用が安くならなかった」など想定外の失敗につながりかねません。
自社にとってメリットのあるインターネットFAXサービスの選び方とはどのようなものか、重要になってくる大きな4つのポイントを軸にご説明したいと思います。
自社に必要な機能をもとに選ぶ
まず1つ目の選び方のポイントは、自社が必要とする機能は何かということです。
インターネットFAXを導入する目的や現況を踏まえて、必要な機能を提供しているかどうかをポイントとした選び方です。
自社の利用枚数をもとに選ぶ
2つ目の選び方のポイントは、自社の普段のFAX利用枚数です。大まかでよいので事前に把握しておきましょう。
受信が多い、送信が多い、またはスポット的に大幅に増減する月があるなど、平均的な毎月の利用枚数と併せて中期的な利用傾向もおさえておくとインターネットFAXサービスの選び方を考える上での判断材料となります。
インターネットFAXサービス各社で提供されている割引サービスなどを最大限活用し、コストパフォーマンスを重視した選び方をするために重要なポイントです。
使いたいFAX番号をもとに選ぶ
3つ目の選び方のポイントは、使いたいFAX番号があるかどうかです。
FAX番号について、特にこだわりがなくどういった番号でもよいと考えるのか、または現在利用中のFAX番号を移行したいなどの希望があるかどうかでインターネットFAXサービスの選び方が変わってきます。
お試し期間の有無で選ぶ
4つ目の選び方のポイントは、お試し期間があるかどうかです。
インターネットFAXの選び方において、十分な検討を重ねても実際のところで不安が残る場合は、お試し期間があるサービスを選択肢とする選び方をおすすめします。
ポイント① 自社に必要な機能で選ぶ
自社に必要な機能、またはインターネットFAXに移行する目的の部分は選び方の重要ポイントです。
送受信のどちらをメインに使っているのか、どのようなデバイスを利用する(または利用したい)のか、FAXの振り分け作業や管理はどのように行いたいのかといった実情とニーズを踏まえた選び方をする必要があるためです。
FAXの送受信機能
FAXの利用状況として、「送信は時々必要になるが、受信することはない」「受信専用で使っている」といった明確な用途がある場合、それは選び方のポイントとなってきます。
送受信どちらかの機能に限定することで費用を抑えることができますが、あくまでいずれかしか使わないことが前提です。
現在、送信または受信特化型のインターネットFAXには、送信専用の「秒速FAX 送信」「FAX.PLUS」、受信専用の「秒速FAX Plus」「D-FAX」などがあります。
「秒速FAX」の場合、同じアカウントで送信・受信を利用することもできますので、選び方として完全に特化するのは不安があるという場合はおすすめです。
スマートフォンでの送受信機能
インターネットFAXの利用目的として、「外出先で使いたい」という方も多いでしょう。
インターネットFAXが利用できるモバイルデバイスの選び方としては、ノートパソコンの他にスマートフォン、タブレットなどがあります。
中でも、所持率が急速に高まっているスマートフォンでの送受信機能があるかどうかは、インターネットFAXの選び方の重要ポイントといえるでしょう。
スマートフォン対応サービスの選び方として、事前にインターネットFAXサービスのWEBサイトなどで動作環境、利用可能端末、スマートフォンでは使えない機能(プリントアウトなど)がないかなどを確認しておく必要があります。
「03FAX」「メッセージプラス」「eFAX」は専用アプリを提供しており、「MOVFAX」ではアプリはありませんがスマートフォン対応となっています。
送信できるファイル形式
ほとんどのインターネットFAXのサービスでは、送受信するFAX原稿のデータの形式としてはPDFが用いられます。
ただしインターネットFAXのサービスによっては、PDFの他にWord、 Excel、PowerPointなどのOfficeファイルも送信可能です。
Officeのデータをそのまま送信できれば、PDFで書き出す手間がなくなり非常に手軽です。
JPG、GIF、PSDなどの画像ファイルも送信可能なインターネットFAXもあります。
さらに、「03FAX」「eFAX」「MOVFAX 」では、スマホで撮影した写真をそのまま送信することができます。
会議で使用したホワイトボードをスマホで撮影して、インターネットFAXで送信し、すぐに共有するといった使い方もできます。
また、外出先でFAXの送信が必要になった場合も、スマホで撮影したデータを送ることができます。
FAXを送信する際にどのファイル形式を利用したいかによって、最適なインターネットFAXサービスが変わってきます。
実際にどのように利用するかイメージするとインターネットFAXの選び方のポイントがわかりやすくなります。
複数人での対応
業務上、同じFAXを複数の社員で確認したいという場合、インターネットFAXの選び方として「複数人での対応」が可能かどうかがポイントとなってきます。
本来、インターネットFAXを利用するアカウントを複数人で共有することは、セキュリティ上問題があるため、多くの場合ではインターネットFAXの利用者IDを利用者の分だけ追加できるオプションサービスを設ける形になっています。
「03FAX」では、代表FAX番号と追加IDのオプションを併用することによって複数人対応を可能としており、また「MOVFAX」では2つの料金プランのうち「プレミアムプラン」において、サブIDの追加が可能です。
自動振り分け機能
FAXを利用する部署や業務が複数ある場合において、一つのFAX番号に着信したFAXをそれぞれに振り分ける手間がかかるという企業もあるでしょう。
このようなケースのインターネットFAXの選び方としては、「自動振り分け機能」を提供しているかどうかを基準にするという方法があります。
着信した一つのFAXを複数の社員に振り分けたり、宛先に応じて特定の社員に振り分けるなどが自動で行われますので、インターネットFAXの活用による業務効率化を目的とするなら選び方のポイントとするとよいでしょう。
先に紹介した「MOVFAX」の「プレミアムプラン」であれば、サブIDの追加サービスと併せて「FAX自動振分け機能」が利用可能になります。
手書き編集機能
インターネットFAXのサービスには、手書き編集機能があるサービスもあります。
手書き編集機能とは、受信したFAX原稿にスマホやパソコンから直接書き込みなどの編集を行うことができる機能です。書き込んだ原稿はそのままFAX送信できます。
これまでは、受信したFAX原稿を一度プリントしてから書き込みをしていました。
手書き編集機能ではデータ上で完結するため、完全ペーパーレスが可能になります。
手書き編集機能が利用できるのは、「メッセージプラス」「MOVFAX」などがあります。
ただし、手書き編集機能がないインターネットFAXの場合でも、何らかの画像編集ソフトを使えば、原稿への書き込みは可能です。
スマホやパソコンに最初から入っているソフトで編集が可能ですが、インターネットFAXのアプリやブラウザと別になるので少し手間に感じるかもしれません。
インターネットFAXの選び方として、手書き編集機能は必ず必要な機能ではありませんが、あると便利ですね。
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ポイント② 自社の利用枚数をもとに選ぶ
インターネットFAXの選び方として、利用枚数は重要です。
どの程度の枚数を送受信するかによって、お得に利用できるインターネットFAXサービスや料金プランが異なるのです。
送受信ともに、1枚ごとの単価、月額料金やオプションに含まれる無料送受信の枚数制限、その他のオプションサービスなどの価格詳細をよく確認するなど、選び方に気を付ける必要があるでしょう。
各社の送信無料枠について
インターネットFAXの選び方として、送信料金を安く抑えられるサービスがあれば利用したいですよね。
受信料金は無料で提供しているインターネットFAXは多くありますが、送信料金は各社サービスによって様々です。
送信料金の無料枠を設けているインターネットFAXを導入する場合、実際どのくらい無料で送信できるのかが選び方のポイントになります。
そこで、送信無料枠を提供しているインターネットFAX各社についてまとめました。
メッセージプラス
年払いだと200枚分の送信料金の3,000ポイントが使えます。
月額料金792円(税抜)で、200枚無料で送信できることになります。
また、メッセージプラス同士なら送信料金がかかりません。
03FAX
有料のオプションプランですが、「使い放題500」プランを利用することで、月500枚送り放題となります。
このときの料金は、月額費用1,280円(税抜)と使い放題500が月1,000円(税抜)で合わせて2,280円(税抜)になります。
eFAX
月額費用が1,500円(税抜)で、月150枚まで送信が無料です。
jFax
月額費用が990円(税別)で、月50枚まで送信が無料です。
送信料金が無料の枚数が50枚から500枚と大きく差があります。
インターネットFAXの選び方として、一ヶ月の送信枚数にあった無料枠を利用するとお得に利用できます。
月に100~500枚を送信
月に100~500枚を送信するような場合、単価が安くても通信費の総額としては大きな金額になってきます。
例えば、単価が最安の「MOVFAX」でも500枚送信すれば月額料金と合わせて2,980円になります。
「03FAX」なら、月額1,000円(税抜)の「使い放題500」オプションを契約することで、毎月500枚まで定額で利用することができます。毎月100枚以上送信し、かつ枚数に幅が出やすい場合の選び方としては、定額設定がある方が安心して利用できます。
月に50~100枚を送信
1日あたり2~5枚程度を送信する、といった使い方であれば、月間合計50~100枚程度になります。
月間100枚の場合、「MOVFAX」なら送信費用は400円で、月額料金と合わせて1,380円です。「eFax」なら月額料金1500円に150枚までの無料送信分が含まれていますので、100枚を少し超える月もある場合でも送信無料の範囲内で利用できます。
月に0~50枚を送信
送っても1日1~2枚で、送らない日もあるというようなケースです。
このようにほとんど送信しないなら単価としては最安の「MOVFAX」、50枚未満に収まるなら「jFax」は月額料金990円に無料送信50枚分が含まれていますので割安です。
数千枚以上を送信する場合
ここまでご紹介したのは、多くても月500枚程度に収まる方に向けたおすすめのサービスですが、企業によってはそれ以上の枚数を送信する場合もあるでしょう。
送信枚数が多いとその分料金がかかるため、一枚あたりの値段が1円でも安い、大量送信に適しているインターネットFAXを選ぶことが、選び方のポイントになります。
「秒速FAX」は送信枚数が多くなればなる程、一枚あたりの送信料金が安くなります。
一枚あたりの送信料金が、5,000枚までで10円、5,001枚から10,000枚で9円、10,001枚から50,000枚で8円、50,001枚からは7円で送信できます。
送信枚数が多い程一枚あたりの値段が安くなるので、大量送信をしている場合の選び方として安心して利用できます。
「メッセージプラス」ではメッセージプラス同士の送信は無料で利用できます。
送信相手がメッセージプラスを利用していることが必須なので、例えばグループ企業間でFAX送信が頻繁に行われる場合などであれば、利用サービスを揃えることでお得に利用できます。
毎月大量に受信
受信については、利用者が意図しないDMや営業のFAXなどもありますので、一定枚数まで無料としている場合が多いです。
「MOVFAX」は1ヶ月1,000枚までは無料、それ以上は送信と同じ8円/枚(税抜)の設定となっています。
「03FAX」「メッセージプラス」は上限なしで無料となっていますので、業務上毎月大量に受信するような場合の選び方としては無制限の方が安心です。
ポイント③ 使いたいFAX番号をもとに選ぶ
インターネットFAXではインターネット回線を利用しますので、基本的に「050」などから始まるIP電話番号が付与されますが、契約者の住所地や事業所のある市外局番が利用可能なサービスもあります。
会社として業務用にFAXを利用するため、会社の電話番号と同じ市外局番が利用できた方が良いとお考えの場合、インターネットFAXの選び方として「使いたいFAX番号をもとに選ぶ」ことも選択肢の一つといえます。
また、現在すでに従来の電話回線によるFAXを利用中の場合の選び方としては、番号移転サービスを提供しているインターネットFAXを選択肢とすることで、よりスムーズにインターネットFAXへ移行できます。
東京03を利用
東京03が利用できる主なインターネットFAXには「03FAX」「jFax」「eFax」「faximo」などがあります。
各都市の市外局番を利用
東京03以外の主要都市、全国の市外局番に対応しているインターネットFAXは限られてきます。
「faximo」では東京03と大阪06のみ、「MOVFAX」では追加オプションによって東京03、大阪06、神奈川045が利用可能になっています。
「eFax」では国内全ての市外局番、「03FAX」では各都市の市外局番(2020年3月現在では44個)を提供しています。
050の番号を利用
050のIP電話番号を利用した場合でも、インターネットFAXを利用する上で支障はありません。上記で紹介したインターネットFAXサービス以外は基本的に050の番号となります。
また、「D-Fax」ではIP電話番号「020」のみの提供となっています。
今使っているFAX番号をそのまま使う
インターネットFAXの選び方として、今使っている番号がそのまま使えるかという点も気になりますよね。
インターネットFAXの多くは、既存のFAX番号が使えずに新たにインターネットFAX用のFAX番号を利用することになります。
しかし、インターネットFAXの中には現在使用しているFAX番号をそのまま移行できるサービスもあります。
既存のFAX番号がそのまま移行できれば、取引先や名刺、社内案内など様々なところでの変更が不要になります。
番号移転サービスに対応しているインターネットFAXは「03FAX」があります。
ただし、利用できるFAX番号には条件がありますので、詳しくはお問い合わせいただくのが確実です。
また、番号移転などを行わずに同じFAX番号を利用する方法として、FAXモデムを設置する方法もあります。
FAXモデムを設置するタイプのインターネットFAXとしては「FNX e-受信FAXサービス」があります。
「FNX e-受信FAXサービス」ではパソコンに専用アダプタをつけるだけで、パソコンからFAXの送受信ができるようになります。
電話転送サービスを利用する方法も
既存のFAX番号をそのまま利用できるインターネットFAXも多くはないため、導入になかなか踏み込めないのではないでしょうか。
電話会社が提供している電話転送サービスを利用すれば、電話移転サービスを行っていないインターネットFAXでも既存のFAX番号を使うことができます。
電話転送サービスを利用することで、既存のFAX番号に送信されてきたFAXをインターネットFAXへ自動で送信してくれます。
インターネットFAXの選び方に電話転送サービスも視野にいれることで、インターネットFAXを導入しやすくなりますね。
ポイント④ お試し期間の有無で選ぶ
これまで長年従来のFAXを利用してきた企業などは、インターネットFAXへ移行して仕組みが変わることによって、業務上またはコスト面でどういった影響があるのか想定しづらいかも知れません。
あるいはWEBツールに不慣れであるなど不安な点がある場合は、選び方としてお試し期間が設定されているインターネットFAXサービスから選ぶとよいでしょう。
「eFax」では利用開始から30日間、「03FAX」では最大30日間のお試し期間があり、お試し期間内の解約も可能です。
「MOVFAX」では月額基本料金30日分割引のサービスがありますが、申し込み初月解約は不可となっています。
このように、無料の範囲や解約・返金方法など各社で細則が異なりますので選び方に注意しましょう。
各社サービスの総合評価
ここまで、選び方のポイントについて、インターネットFAXサービス各社のサービス内容を比較しながらご紹介してきました。
最後に3つのインターネットFAXサービスについて、選び方の参考となるよう総合評価をまとめてみましょう。
03FAX
03FAXは、従来のFAXを利用中の場合でも、お試し期間が設けられているので使用感の違いを確認できること、番号移転サービスを利用すればスムーズに移行できることがメリットといえます。
リーズナブルな月額料金と「使い放題500」、無制限での受信無料といった明解な料金設定なので、利用頻度に多少の波があるような使い方でも、送信500枚以内なら一定額で利用できますので安心です。
MOVFAX
MOVFAX(モバックス)は、「業界最安値(1送信2枚まで8円)」の送信単価がポイントですが、受信については1,001枚目から従量課金になりますので注意が必要です。
利用枚数での選び方としては、受信は1,000枚以下、送信はあまりしない場合にお得になるサービスです。
また、プレミアムプランではサブIDや自動振り分け機能が利用できますので、こういった機能を活用した業務効率化を目的とした選び方においては、費用対効果が見込める可能性があるでしょう。
メッセージプラス
メッセージプラスを選ぶメリットとしては、「メッセージプラス同士無料」や「手書き編集機能」など特徴的なサービスが利用できる点にあります。
番号は「050」のみの提供で、お試し期間の設定はなく、最初から年払いで申し込むことが条件となる割引サービスが充実しています。
受信は無制限で無料となる一方、メッセージプラス以外の相手先への送信単価は15円/1枚(税抜)の従量課金です。
そのため、「グループ企業などで一括導入をする」「頻繁にやり取りをする関係取引先などがメッセージプラス利用者である」ことが前提で、かつ送受信ともに毎月大量に行うというケースにおいて、コストパフォーマンス重視の選び方をしたい場合は非常にメリットがあるといえます。
まとめ
インターネットFAXの導入を検討している企業では、自社のFAX業務が現状抱えている問題点やニーズが必ずあるはずです。
それらを踏まえた上で、キーとなる選び方のポイントをおさえながら各社のサービス内容や特色を見ていくと、どのインターネットFAXサービスが最適なのかは自ずと明確になってくるのではないでしょうか。