インターネットFAXをご存知でしょうか?
最近ではFAX自体を使う機会がなかなかないという人も多いかもしれません。しかし現在でも、FAXは重要な連絡手段です。
FAXとは、電話回線を使って、文字を書いた紙を機械に取り込むと、文字をデータ化し通信先のFAX機にて出力するものですが、インターネットFAXはそれと同等の機能がネット上で再現できるというものになっています。
それならばメールにすれば良いのでは?と思いますが、やり取りの相手がFAXしか対応していない場合はこちらも対応せざるを得ませんよね。
FAXのネックは、専用機がある場所でしか作業が出来ないアナログさや、インク代や紙代といったコスト面など、利用者にとっての負担が大きい点です。しかしインターネットFAXであれば、これらの課題を解消してくれます。
相手から送られてきたデータは、自社のネット回線を通じてデータとしてパソコンや携帯で受信できるため、いつでもどこでも内容が確認でき、印刷の有無は受信者側で選べるため、余計なコストも掛かりません。
このように、FAXが必須となる業界では重宝されるインターネットFAXについて、料金・特徴・評判の観点で、比較してみました。
インターネットFAX 主要サービスを様々な視点で比較
今回比較するのは、以下のインターネットFAXサービスです。
・03FAX
・eFax
・jFax
・メッセージプラス
・秒速FAX
・BizFAXスマートキャスト
・PamFAX
法人向けのインターネットFAX、選ぶ時のポイント
インターネットFAXを比較する際にポイントとしておさえておきたいのが「自社の送信数」「使い勝手」「どの番号を使うか」の3点です。
この観点もとに、どのインターネットFAXサービスを利用すべきか見極めます。簡単に各ポイントについて解説していきましょう。
まず「自社の送信数」ですが、インターネットFAXサービスは各社で1枚あたりの送信枚数や、月額料金が異なります。そのため、送信枚数によって最もお得なサービスが異なります。
そのため、自社がどのくらい送信するのかを把握したうえでインターネットFAXを比較するようにしてください。
また、「送信だけ」「受信だけ」といった機能を限定したインターネットFAXもあるため、どのようなシーンでどのように活用したいのかは想定しておくべきでしょう。
さらに、インターネットFAXでは、送受信用に新しくFAX番号を取得することとなります。
一般的には050から始まる番号を取得することになりますが、サービスによっては東京03などの市外局番を利用できます。このように利用できる番号についても、インターネットFAXを比較する基準として念頭においておきましょう。
費用で比較
上記の観点を踏まえ、まずは費用で比較していきましょう。
初期費用・月額費用で比較
まずは基本となる「初期費用」「月額費用」を、先に挙げた7つのインターネットFAXで比較していきます。
【初期費用】
・03FAX/5,000円
・eFax/1,000円
・jFax/1,000円
・メッセージプラス/1,000円
・秒速FAX/1,100円
・BizFAXスマートキャスト/無料
・PamFAX/無料
【月額費用】
・03FAX/1,280円
・eFax/1,500円
・jFax/990円
・メッセージプラス/950円
・秒速FAX/520円
・BizFAXスマートキャスト/無料(1枚あたり通信料25円)
・PamFAX/764円
費用を比較しても、それぞれ違いが出てきますね。
上記は単純に初期費用と月額費用で比較しましたが、使いたい機能によってはオプション料金が発生したり、枚数によって料金が異なったりすることもあるため、目的を決めたうえで料金比較をするようにしてください。
送信枚数で比較
次に送信費用と月額費用の合計金額を、送信できる数別に比較してみます。
毎月何枚くらい送信するのかによって選ぶべきサービスをご紹介しますので、参考にしてみてください。
500枚以内なら『03FAX』
03FAXには、「使い放題500」というオプションがあります。
このオプションを導入すれば、追加料金が月額たったの1,000円で、なんと500枚まで送ることができます。
基本料金は月額1,280円ですので、送信が500枚以内であれば合計で月々2,280円で利用することができる、お得なインターネットFAXです。
03FAXは初期費用が5,000円とやや高めですが、初回年払いで初期費用割引というサービスもあるため、長期で利用する予定があれば年払いを検討してみても良いでしょう。
03FAX
https://03plus.net/03fax/
150枚以内なら『eFax』
eFAXは、送受信ともに150枚までは追加料金が掛からず導入できます。
月額費用は1,500円ですので、送信枚数が少なければ低コストに抑えられるインターネットFAXですね。
ただ、150枚を超えると、1枚当たり10円ずつ費用が掛かってきます。
03FAXと比較すると、利用枚数が200枚を超える場合には月額2,000円を超えてしまうため、eFAXよりも03FAXの方がお得になります。
50枚程度の少量なら『jFax』
さらに送信枚数が少ないのなら、jFAXもチェックしてみましょう。
jFAXでは、月額990円で、受信100枚・送信50枚までは無料で使うことができます。
規定枚数を超えるとページ当たり10円が加算されていくため、送信枚数が100枚を超えると先に紹介したeFAXよりも高額になっていきます。
このように、月々どのくらいの枚数を使うかによって、選ぶべきインターネットFAXは変わってきますので、あらかじめ想定のうえ比較検討するようにしましょう。
受信は無料のサービスが多い
インターネットFAXには、受信に料金が掛かるものもあれば無料のものもあります。
上記で紹介したインターネットFAXで言えば、「03FAX」「eFax」「jFax」「メッセージプラス」「PamFAX」は受信が無料です。
ただ「eFax」と「jFax」は、無料で受信できる枚数に制限があるため、これらをご検討の際は自社の受信枚数の目安もチェックしておきましょう。
特徴で比較
続いては特徴で比較してみましょう。
番号移転を使いたい場合
まずは、番号移転に対応しているインターネットFAXについて見ていきましょう。
番号移転とは?
番号移転とは、会社が移転した後も、もともと使っていた番号をそのまま利用できるといったサービスです。
番号が変わると各所へのご案内や設定変更が発生するため、手間やコストが掛かりますので、それを避けたいというニーズはどの企業にもあるでしょう。
その悩みに答えるのが番号移転です。
ただ、すべての番号が移転できるとは限らず、原則NTT東日本や西日本で取得した番号の場合が移転可能となっています。
また、細かい制約が設けられているため、番号が移転できるかどうかは通信会社に一度確認しておいた方が安心です。
番号移転を利用できるサービス
現在リリースされているインターネットFAXを比較すると、番号移転に対応しているのは「03FAX」のみです。
以前は「秒速FAX」も対応していましたが、2019年11月から番号移転サービスの提供を終了したため、現状は「03FAX」以外の選択肢はない状態です。
番号移転には通常料金とは別で費用がかかります。
「03FAX」では初期費用や基本料+番号移転の初期費用が3,000円、番号移転利用料が月額1,100円かかります。
これらの費用も加味したうえで、比較検討するようにしましょう。
03FAX
https://03plus.net/03fax/
各地の市外局番を使いたい場合
番号を移転しないとしても、市外局番を選びたいという観点で比較する場合もあります。
その際にはどんなインターネットFAXを選ぶべきなのかを見ていきましょう。
全国多くをカバーする『eFax』
最も多く市外局番を選べるのが「eFAX」で、日本国内で54個の市外局番を使うことができます。
さらに、海外の番号も選択することができ、ニュージーランド、フィリピン、フランス、ブラジル、台湾、韓国など多くの国の番号も選択可能ですので、海外支社のある企業にとっては魅力的ですね。
主要都市をカバー『03FAX』
「03FAX」では、日本の主要都市を初めとした47都市の市外局番もしくは「050」の番号から選択します。
東京や大阪、名古屋などにオフィスのある企業であれば、固定電話と同様の市外局番を選べる可能性も高いかもしれませんね。
ただ、03FAXでは「どの市外局番も選べる」のではなく「契約住所の市外局番を選べる」となりますので、ご注意ください。
03FAX
https://03plus.net/03fax/
その他のサービスでは「東京03のみ」や「050」番号が主流
上記で紹介したインターネットFAX以外では、選べる番号は限られてきます。
都内の企業であれば「東京03」でも問題ないですが、その他エリアの企業は「050」番号を利用することになります。
番号は特にこだわらないのであれば比較しなくても構いませんが、市外局番を選択したいという場合には上記2つで比較検討してみてください。
PCだけでなくスマホからも利用したい場合
では利用方法についても比較してみましょう。
インターネットFAXへのニーズの1つにその手軽さがありますが、スマホ利用ができることで、どのようなメリットがあるのでしょうか?
スマホでインターネットFAXが使えるメリット
今までのFAXは会社にいなければならなかったという点と比較すると、インターネットFAXでは社外でもFAXが送受信できるのが大きなメリットです。
それに加えてスマホで操作ができるようになると、さらにどのようなメリットが考えられるでしょう。
もちろんPCで確認できるだけでもありがたいですが、例えば移動中などPCが開けない環境や、すぐにデータを確認したい時にスマホ対応していればすぐにチェックすることが可能です。
またカメラで撮影した画像をそのままFAX出来る機能が備わっているインターネットFAXであれば、外出先で手軽に操作してFAXを送信することもできます。
FAXを確認するだけのためにPCを持ち歩くのも大変ですし、ノートPCを支給されていない場合もあるでしょう。
いつでもどこでも誰もが確認できるという観点で、スマホで利用できることは大きなメリットです。
スマホアプリを提供しているサービス
では実際にスマホで利用できるインターネットFAXはどこなのか、比較してみましょう。
利用できるのは「03FAX」「eFax」「メッセージプラス」です。
それぞれ専用アプリを利用し、アプリを利用してFAXの送受信が可能、カメラ機能も連携しているため、撮影した画像をそのままFAXで送信することできる便利な機能が備わっています。
03FAX
https://03plus.net/03fax/
メッセージプラス
http://www.messageplus.jp/
手書き機能で比較
インターネットFAXは、送受信をスマホやPCをから送信を行うため、従来のFAXと比較して手書きでの返信ができないとお考えの方もいるかもしれません。
インターネットFAXのサービスを比較すると、「手書き機能」や「捺印機能」が備わっているサービスもあります。
手書き機能や捺印機能があるインターネットFAXは、「eFAX」と「メッセージプラス」です。
それでは、実際に内容を比較してみましょう。
eFAX
・インターネットFAXで受信したデータに手書きをして送信することができる
・データにそのまま書き込みをすることができるため、プリントアウトやスキャンの手間がかからない
・Acrobat Readerのアプリを利用することで、電子サインや電子押印も可能
メッセージプラス
・インターネットFAXで受信したデータに書き足して、送信することができる
・データに書き足しができるため、プリントアウトやスキャンの手間がかからない
・専用アダプタを利用すれば、手書き原稿をインターネットFAXとして手軽に送信可能(専用アダプタは現在販売終了)
メッセージプラス
http://www.messageplus.jp/
書類にサインをして、すぐにインターネットFAXで返信をしたい場合など、手書き機能はとても便利な機能ですね。
従来のFAXと比較して、ペーパーレスで手書きができるので、インク代や紙代も節約できます。
「eFAX」と「メッセージプラス」を比較すると、押印機能に違いがあるため、承認印が必要な書類のやり取りがある場合は、「メッセージプラス」が便利です。
サポート体制で比較
インターネットFAXは初めて利用するという企業の方は、導入後にしっかりサポートしてくれるのか、という点は十分に確認しておきましょう。
海外サービスの場合はサポートに不安があることも
海外のサービスが一概に悪いとは言えませんが、問題はないか詳しくチェックしておく必要があります。
使い方解説ページなどが英語のみの場合や、サポート窓口が細かい対応をしてくれないなど、ややサポートに不安を感じるケースもあります。
操作に自信の無い方などは、手取り足取り教えてもらいたいものですよね。
導入にあたり不安が大きい場合には、サポート体制が充実しているのはどこか、という観点で比較してみると良いでしょう。
国産サービスは?
海外と比較すると、国産はホームページでも日本語でわかりやすく内容が確認できたり、電話でのテクニカルサポートを行っていたりなど、システムに不慣れな人でも利用しやすいと言えるでしょう。
もちろん日本のシステムだからといって、すべて同等のサポートではありませんので、それぞれのホームページ等で比較してみてください。
評判で比較
インターネットFAXについて、実際に利用したユーザーからの評判で比較してみましょう。
ここでは、「03FAX 」「jFAX」「メッセージプラス」「秒速FAX送信」の4つインターネットFAXについて、各サービスの評判の良いポイントをご紹介します。
03FAX
03FAXは、他のサービスと比較して、送り放題プラン「使い放題500」や、スマホアプリの評判が良いです。
①送り放題プランを利用すれば、月に500枚まで無料
前述のとおり、03FAXには「使い放題500」という、送り放題のオプションプランがあります。
03FAXの通常の送信料金は、30秒あたり20円。
送り放題のオプション料金が1,000円なので、仮に月に500枚送信した場合、1枚当たり2円で送信ができます。
送信枚数が多い企業にとって、送り放題プランのある03FAXはとてもリーズナブルですね。
ただし、501枚目からは、通常の送信料金(30秒あたり20円)が発生します。
②スマホとPCのどちらからでも利用が可能
03FAXは、前述のとおりスマホアプリがあり、スマホアプリでインターネットFAXの送受信が完結する手軽さから、外出が多いなどスマホ中心ユーザーからの評判が良いようです。
ちなみに、PCのブラウザから利用することも可能です。
③スマホからきれいな画像が送れる
03FAXのアプリでは、撮影した画像をそのままインターネットFAXで送信できます。
高性能のスキャナー機能がアプリに搭載されているため、コントラストの調整や、台形補正機能などが手軽にでき、インターネットFAXに最適化した画像を送信することができます。
一般的なFAXで送信する場合と比較して、文字が見えにくくなる背景色の原稿も、高性能スキャナーのおかげで、文字がはっきり判別できるという良い評判もありました。
jFax
jFAXは、他のインターネットFAXと比較して、リーズナブルに利用ができることやトライアル期間があることなど、料金の手軽さが魅力のようです。
①無料の送信枠、受信枠がある
前述のとおり、jFAXは月額990円で受信100枚まで、送信50枚までは無料で使うことが可能です。
取引先とのやり取りのほとんどがメールで、FAXの利用は少ないという企業には、他のサービスと比較して月額料金990円という安価な料金で利用できるところが評判となっています。
②メールで手軽に送受信できる
jFAXは、受信したインターネットFAXがPDFでメールで届きます。
送信もメールで手軽にできるので、新しくアプリを導入するなどの手間がかかりません。
他のインターネットFAXと比較して、メールでFAXの受信確認ができることから、FAXの確認漏れが防げる点もポイントです。
③無料期間が30日間
インターネットFAXの導入を検討している企業にとっては、jFAXに30日間のトライアル期間があることが評価されています。
他のサービスと比較すると、トライアル期間にインターネットFAXの良さを実感し、導入するケースもあるようです。
メッセージプラス
メッセージプラスは、他のサービスと比較して、利用者同士が無料で利用できることや、手書き機能のに関する評価が高いようです。
①利用者同士が無料で利用できる
メッセージプラスの会員同士であれば、インターネットFAXの送受信が無料です。
例えば、支店の数が多く、支店同士のやり取りが多い企業では、一斉に導入をすることで、FAXの送受信費を安く抑えることができます。
②手書き機能が便利
メッセージプラスは、前述のとおり届いたFAXのデータに、手書きで返信ができる機能がついています。
従来のFAXや他のインターネットFAXと比較して、プリントアウトやスキャンの手間がかからず、手軽に送信できる点で評判が良いです。
秒速FAX送信
秒速FAX送信は、送信専用のインターネットFAXサービスです。
この点を生かした料金体系で提供されており、以下のようなポイントが評価を集めています。
①送信専用サービスで、月額料金が無料!
秒速FAX送信は、他のインターネットFAXと比較して、送信専用に機能を絞ったというサービスを提供しています。
送信に機能を絞ることで、月額料金と初期費用が無料で利用可能です。
とりあえず導入をしたいという企業にとっては、他のインターネットFAXと比較した場合、イニシャルコストもランニングコストもかからないため、評判が良いです。
送信した分だけ料金が発生するという明瞭な料金体系が分かりやすいですね。
②1度に送信できる枚数が多い
秒速FAX送信は、1度に最大3,000件まで送信できます。
1度に送信できる枚数は、他のインターネットFAXと比較しても多くなっています。
多くの取引先に同じ内容のFAXを送信する業務が多い場合には非常に役立ちます。
まとめ
さまざまな企業から特徴のあるインターネットFAXサービスがリリースされています。
FAXを利用する企業は減少しているとはいえ、まだまだ主要の情報伝達ツールとして使う企業も多く、昔ながらの方法でFAXを使い続けているために業務効率が下がってしまう問題も起こっています。
これらの問題を解決するために、インターネットFAXは有効な手段だと言えるでしょう。
ご紹介したようなインターネットFAXサービスは、どれも業務効率を改善してくれる心強いものですが、さまざまな要素を比較してみると、多くのニーズに応えられているという点では、「03FAX」が高ポイントという印象です。
企業によってニーズは違うため一概には言えませんが、今回の記事を参考にしていただきながら、ぜひベストなサービスを選んでくださいね。