既存の電話回線を使って送受信するFAX。
手軽に書類をやり取りできる利便性が評判となり、90年代半ばには、企業だけでなく一般家庭にも広く普及するまでになりました。
ちょうどその頃から、新しい通信手段として注目されはじめたのがインターネットです。
インターネットの普及に伴ってFAX機器の販売台数は頭打ちとなったものの、FAXは現在もビジネスシーンで欠かせないインフラとして機能しています。
社会全体がデジタル化へと舵を切るなか、「紙書類であるFAXの管理に手間がかかる」「データ書類で扱えるメールなどに切り替えたいが、取引先や顧客からFAXを希望されるため変えられない」といった困りごとも多いのではないでしょうか。
そこで、新たも注目されて評判となっているのが「インターネットFAX」です。
目次
インターネットFAXとは
インターネットFAXとは、インターネット回線を利用して送受信を行えるサービスです。
これまで使われてきたFAXは、固定電話回線とFAX機器を設置しなければ利用できませんでした。
その点、インターネットFAXであればそれらの設備は不要で、インターネット回線に接続できるパソコンやスマホがあれば、いつでもどこでも送受信操作や書類の確認ができると評判です。
紙書類ではなくデータ書類を送受信することになりますが、これまでのFAXと同じように専用のFAX番号を使いますので、実務上は従来のFAXと同じ感覚で活用することができます。
インターネットFAXの評判がいいポイントとは？
その使い勝手の良さが評判のインターネットFAXですが、実際に利用している人から評判のいいポイントについて具体的にご説明しましょう。
インターネット環境さえあれば使える
評判のいいポイント①は、FAX機器などの設備を用意しないと利用できなかった従来のFAXに対して、インターネットFAXはインターネット環境があればすぐに利用することができるということです。
固定回線とFAX機器が不要となることによって、多くのメリットが生まれます。
まず、自営業や小規模な企業など、「仕事上FAXは持っておきたいけど、導入コストが大きいのが困る」といった理由で導入に踏み切れていなかった場合に、そのハードルはぐっと下がるでしょう。
FAX機器だけでなく、受信に備えて常に用意しておく必要のあったFAX用紙と印刷用インクも不要になるため、管理やメンテナンスの手間がなくなるだけでなく、消耗品費にかかるコスト減につながることも評判がいい点です。
また最近増加傾向にある、在宅勤務やテレワーク、シェアオフィスといった勤務場所を限定しないスタイルにも無理なくフィットできるのがインターネットFAXです。
外出中でもFAXを確認できる
評判のいいポイント②は、場所を固定せず使えるため、外出中でもFAXが確認できることです。
外出中、急に会社の受信FAXを確認しなければならなくなって困った、ということはありませんか？
こういったケースでは、会社に連絡して誰かに受信FAXの内容を確認してもらう方法もありますが、お互い面倒であるうえに、FAXの書面そのものは確認ができないので、何かと不都合があります。
社内に誰もいない日や時間帯だとすぐに確認できませんし、そもそも個人事業主など少人数で運営しているといった事情でFAX機器のそばに誰もいないことが多い場合、受信確認すらできません。
そんなとき、インターネット回線に接続可能なスマホなどがあれば使えるインターネットFAXなら、会社で受信したFAXもすぐに確認できるので、「非常に重宝する」と評判なのです。
用途に合わせて最適なサービスを選べる
評判のいいポイント③は、料金体系の自由さです。
これまでのFAXは、電話回線を利用しますので「送信した分だけ料金がかかり、受信は無料」でしたが、インターネットFAXなら用途に合わせて最適なサービスを選ぶことができます。
例えば、「送受信ともに毎月大量に使う」「月によって送受信枚数に波がある」「送信することはほとんどなく、受信メインの利用」といったように、FAXの使い方は会社の業務内容などによって左右されることが多いでしょう。
そこでインターネットFAXサービス各社では、「送受信ともに、それぞれ月〇枚まで無料」「受信料金は無制限で無料」「初期費用・月額料金無料、送信のみの完全従量課金」など、それぞれ特徴的なサービスを用意しています。
サービスの選択肢がない従来のFAXと異なり、自社の利用スタイルに合ったサービスを選べばお得に利用できることはとても魅力的で、インターネットFAXの評判がいいのもうなずけますね。
相手の環境を問わない
評判のいいポイント④は、相手方が従来のFAXを利用している場合でも問題ないという点です。
インターネットFAXから送信した書類であっても、相手方へは普通のFAXと同じように紙に出力されて届きますし、普通のFAXから送信された書類を受け取った場合でも、こちら側ではデータ化された状態で確認することになります。
インターネットFAXであることを相手に伝える必要はなく、また相手側もインターネットFAX利用者である必要がないのです。
そのため、「自分のFAX環境だけを変えて、後は今まで通り利用できるのは便利」と評判です。
インターネットFAXのデメリットは？
このようにメリットが多く評判のいいインターネットFAXですが、一方でデメリットもあります。
どのようなことがデメリットとしてあるのか、その対処方法も合わせてご説明していきます。
FAX番号を新規取得する必要がある
インターネットFAXではFAX番号は新規取得となり、申し込みの際に自動で割り当てられるか、表示される候補から任意の番号を選ぶ流れになります。
ただ、会社ですでに使っているFAX番号を変えずに使いたいという場合もあるでしょう。
その場合は、番号移転サービス（固定電話番号ポータビリティ）をオプション契約して利用する、または転送サービスを利用する方法もありますが、番号移転サービス（固定電話番号ポータビリティ）については対応しているインターネットFAXを選ぶ必要がありますので、事前にサービス内容をきちんと確認しておかなければなりません。
また、これらの移転・転送サービスなどを利用しない場合は、インターネットFAXへ移行する際に新規取得した番号を取引先などへ伝えたり、広報物や名刺などへ反映させることを忘れずに行わなければなりません。
050など市外局番以外の番号になることがある
インターネットFAXではインターネットの回線を利用しますので、いわゆるIP電話番号と同じ「050」などから始まる番号が割り当てられるのが一般的です。
しかし、一部のコンビニFAXからの送信など、IP電話番号宛てに送信することができない場合がありますので、よくやり取りする相手先がこれに該当すると困ってしまいます。
また、「ビジネス用のFAX番号なので、IP電話番号だと相手の心象がよくないかもしれない」「会社の電話番号と近い番号でないと使い勝手が悪い」といった理由でデメリットに挙げられることもあります。
そのような理由から050などの番号では困る場合は、住所地の市外局番の番号を取得できるインターネットFAXサービスもありますので、完全に希望通りの番号にすることはできないものの、検討してもよいでしょう。
コストカットにならない場合がある
インターネットFAXなら、FAX機器や紙・インクなどの消耗品費が不要になることから、コストカットにつながる点で評判ですが、条件によってはコスト増になる可能性があります。
例えば同一市内に頻繁に送信するケースです。
電話回線によるFAXでは料金体系が電話同様となるため、同一市内への送信であれば「3分まで8.5円」となります。
目安として、1枚のFAX送信に1分程度かかると仮定すると8.5円で3枚送信できることになり、1枚の送信単価の相場が10円前後であるインターネットFAXだと割高になる計算になります。
かつ、送信メインで受信はほとんどしないのであれば、紙やインクもあまり消耗しないということになりますね。
また、料金プランが実情に合っていない場合にも損をしてしまう可能性があります。
前述のとおり、インターネットFAXはサービスによって料金プランが大きく異なります。
「なんとなく初期費用と月額料金が安いインターネットFAXにしておいたら、無料送受信分が付いておらず結局割高になってしまった」
「業務上、毎月大量に受信するが、受信無料枚数に上限があったために従来のFAXより通信費がかさんでしまった」
など、いくら評判のいいインターネットFAXでも、このような失敗がないとはいえません。
普段の利用状況をしっかり把握したうえで、どのインターネットFAXサービスが最適なのか、評判だけでなく比較検討することが重要です。
おすすめのインターネットFAXは？
評判がいいポイントだけでなくデメリットとなりうる点についてもご理解いただいたところで、おすすめのインターネットFAXサービスを2つご紹介しましょう。
03FAX
03FAXは、株式会社グラントンが提供するインターネットFAXサービスです。
スマホアプリで手軽に利用できる点が評判であるだけでなく、番号移転サービス（固定電話番号ポータビリティ）に対応していますので、050の番号に抵抗がある方にもおすすめできるインターネットFAXです。
固定電話番号ポータビリティ（ナンバーポータビリティ）について
番号移転オプションは、初期費用3,000円、月額利用料1,100円を追加することで利用可能となっています。
受信料は上限なしで無料となっているので、たくさん受信した月も安心ですし、送信割引オプションの「使い放題500」も用意されています。基本の送信料金は20円/30秒となっていますが、「使い放題500」はオプション料金月額料金1,000円で、月500枚までは追加料金なしで送信が可能となるサービスです。
インターネットFAXへ移行した後、実際支払う料金がどうなるか心配な場合、03FAXなら利用料金の目途が付けやすく安心です。
また、複数の社員で同じFAXを確認する必要があるという場合は「代表FAX番号」と「追加ID」のオプションに申し込みましょう。各社員のスマホで同時に確認ができるため、コピーを取ったり配布したりといった手間がなく、非常に便利です。
その他、スマホのカメラ撮影によるスキャン機能も評判で、アプリ上で編集して文字潰れのないきれいな画像の原稿を作成することも簡単にできるようになっています。
03FAXなら、充実したオプションや機能を活用することによってデメリットもカバーしつつ、インターネットFAXを便利に使いこなすことができそうですね。
メッセージプラス
メッセージプラスは、株式会社アクセルコミュニケーションズが運営するインターネットFAXサービスです。
他にはない特徴的なサービスを提供しており、特に「メッセージプラス利用者宛なら送信無料」のサービスは、うまく利用すると大幅なコストカットが可能であると評判です。
例えば、グループ企業全体で一斉にインターネットFAXを導入しようと考えた場合、メッセージプラスを選ぶことによって、グループ企業内の送受信が無制限で無料になるのです。
頻繁に送受信をする取引先がメッセージプラス利用者であるケースでも同様にメリットがありますが、当然ながらメッセージプラス利用者以外に送信する場合は従量課金となりますので注意しましょう。
また、受信したFAXに補足説明やコメントを追記する、修正すべき点をチェックして加筆するといった使い方をしたい場合、データ書類でやり取りするインターネットFAXではやや不便になることが多いのですが、メッセージプラスでは、そういったニーズに応える「手書き機能」が利用できます。
データ書類を出力したり、スキャンしてから送信したりといった手間なく、ペーパーレスで完結できるため便利、と評判の機能です。
インターネットFAX用に付与された番号に録音された音声メッセージをパソコンやスマホから聞くことができる「留守番電話サービス」も評判です。
これらの特徴的な機能やサービスのなかに、ぜひ使ってみたいと感じたものがあれば検討したいインターネットFAXです。
まとめ
FAXの強みを活かしつつ、インターネットの利便性をプラスしたインターネットFAXが評判である理由が、当記事によってご理解いただけたのではないでしょうか。
根強い支持を集めるFAXというツールを、時代に即したかたちにブラッシュアップしたものがインターネットFAXといえるかもしれません。
口コミや評判も参考にしながら最適なサービスを見つけて、便利に活用してくださいね。
