昨今では多くのスタートアップ企業が生まれています。
いざ起業を決意したとき、まずオフィスをどこに構えるかを考えなければなりません。
ようやくどこにするかの目星をつけても、賃料をいくらにするか、広さはどうするかなど、考えることはたくさんあり、不動産屋さんともかけ合わなければなりません。
さらに、どんな機器を備えるかについても考える必要があり、本業のほかに検討する事柄が多くて、頭を抱えてしまうことも多いのではないでしょうか。
レンタルオフィスであれば、そんな起業を始めたい方も、今のオフィスから移転したい方も、効率的に仕事を進めたい方も、低コストで事務所を借りられるのでオススメです。
今回は、そんなレンタルオフィスでFAXを利用するにはどうすればよいのか、コストを抑える方法などもあわせてご紹介します。
目次
レンタルオフィスとは
そもそも、レンタルオフィスとはどのようなものでしょうか。
日本語に訳すと「貸事務所」ですが、レンタルオフィスは、業務に必要な椅子・机などの家具や業務のための空間、業務に必要な情報機器などを備えたオフィスを低予算で借りられる「貸事務所」の総称です。
レンタルオフィスは、1978年にオーストラリアの企業家が「複数のテナントが入居するサービス付きオフィス」というビジネスモデルを立ち上げたことに始まりました。
日本では、1981年頃からレンタルオフィスがあったようですが、場所・什器などの設備機器・人的サービスをセットで提供したり、会社登記用の住所・電話番号等を提供する事業は、先の外資系企業から広まり、現在、そのニーズが拡大しています。
当初、日本のビルオーナーは、不特定多数のテナントが入居したり、入れ替わりが激しいため、積極的ではなかったようですが、現在は、その業績から再開発ビルの多くにレンタルオフィス用のスペースが設けられることもあるようです。
そんなレンタルオフィスは、課金の仕方もさまざまで、大きく分けて6つのタイプがあります。
1)期間貸し
日本では最も一般的なレンタルオフィスの形態で、賃料は、月極がほとんどです。
費用は、スペースの広さやサービスによって千差万別で、なかには会社を登記する際に使用できるものもあります。
2)時間貸し
ビジネスセンターに近いレンタルオフィスの形態で、一部の大手メーカーやレンタルオフィスの一部が行っており、モバイルを使用する企業がパソコンを持ち込んで作業することが多いようです。
メールチェックやスケジュール調整などの作業向きで、会議室が充実していることが多いことから、大手企業がサテライトオフィスとして契約・利用することもあります。
3)バーチャルオフィス
オフィスがあるかのようにPRできるレンタルオフィスの形態で、住所・電話番号の貸与・郵便物転送・電話代行サービスなどがあります。
事業所登録をしなくても済むため、主にデザイン事務所や小・中規模のITベンダー企業によって利用されています。
4)インキュベーションオフィス
主に公的機関や大学、ベンチャーキャピタル、経営コンサルタントなどが運営し、起業や創業活動を始める人を支援するレンタルオフィスの形態です。
また、大企業がグループ企業の新規立ち上げのために設ける場合もあり、運営者による入所時のビジネスプランについての審査や定期的な検査があることも多いようです。
5)サービスオフィス
テナントの要望により、通信環境やワークスペース、会議室、エントランスの提供に加え、受付・電話応対・秘書などの人的サービスを提供するレンタルオフィスの形態です。
レンタルオフィスと区別して、「サービスオフィス」と呼ばれることもあります。
6)サービスマンション(サービスアパートメント)
住居とオフィスを兼用できるスペックを備えたレンタルオフィスの形態のことで、1ヶ月の賃料は、サービスによってかなりの幅があり、20万円~300万円程度です。
レンタルオフィスでFAXを利用する方法
さて、いろいろな形態のあるレンタルオフィスですが、仕事を進める上でFAXが必要になる場面があるでしょう。
そこで、レンタルオフィスでFAXを利用する方法や、メリット・デメリットをご紹介します。
FAX利用の現状
昨今のように、インターネットやSNSが発達していても、業界によっては、今もFAXとメールとの利用比率は、ほぼ同じであることをご存じでしょうか。
時代遅れのように感じる若い世代の方もいらっしゃるかもしれませんが、現在もFAXは現役の連絡手段なのです。
レンタルオフィスでFAXを利用する際には、大きく分けて2つの手段「企業が直接、固定電話契約を結ぶ」「レンタルオフィス施設での電話・FAX利用」が考えられます。
この2つの手段を利用した場合に生ずるメリットやデメリットをご紹介しましょう。
固定電話契約を締結
まず、企業がレンタルオフィスでFAXを使用する際に、「企業が直接、電話契約を結ぶ」ことのメリットとデメリットについて考えてみましょう。
企業が電話契約を直接締結する場合には、NTTやKDDIなどの電話会社からレンタルオフィスに電話回線を引き、固定電話の番号を取得する必要があります。
これは、最も一般的な方法ですし、電話とFAX番号を別にしたり、番号を選べるなどのメリットがあります。
しかし、電話加入権を購入する必要があり、契約手数料やFAX機能のついた電話機の購入費を含めると、10万円程度の経費がかかり、番号の取得までに時間がかかるというデメリットもあります。
電話加入権は、申込み後に受付が完了すると、レンタルオフィスに固定電話の回線を引くための工事を平日に行うことになりますし、固定電話の設置後に、きちんと電話が通じるかを確認するために半日程度の時間が必要です。
レンタルオフィス施設の電話・FAX利用
もう一つの方法として、レンタルオフィス施設が提供する電話・FAXのサービスを利用するというものがあります。
受信においては、施設共通のFAX番号が利用でき、そこに届いたFAXを転送してもらうという施設側のサービスを利用するのが一般的です。
この場合、自社専用の番号を持つことはできませんが、利用料金は無料〜低価格のものが多いです。
一方、送信については注意が必要です。送信のための設備を備えていないレンタルオフィスもありますし、送信代行を頼める場合も、1枚あたりの送信料金はやや割高であることが多いようです。
また、施設内に備え付けられた複合機から送ることができるレンタルオフィスも存在しており、手軽にFAX送信ができるため便利ですが、料金設定によっては長い目で見ると送信コストがかさんでしまう場合もあるようです。そもそもFAX送信が可能な複合機が設置されている施設は少ないという点も注意が必要です。
コストを抑えるならインターネットFAXが便利
ここまでで、レンタルオフィスでFAX・電話環境を整えるには、場合によってはデメリットが生ずることがわかりました。
そこで、それらのデメリットをなくし、少しでも時間やコストを抑えたい場合には、インターネットFAXをおすすめします。
インターネットFAXとは、レンタルオフィスで電話回線ではなく、インターネット回線を利用して送受信するFAXのことで、従来の専用受信機がなくてもPCやスマホがあればFAXの送受信を行えます。
レンタルオフィスでのインターネットFAXの利用によって、コストダウンや業務効率化につながる点がありますので、くわしく説明しましょう。
インターネットFAXでコストダウンできる理由
まず、レンタルオフィスでインターネットFAXを利用すると、コストダウンができる理由の1つとして、固定電話や電話回線を必要としないため、FAX・電話環境を整えるための費用がかからないことが挙げられます。
特に、プリントやコピーもできる複合機を使用する場合には、本体の購入に費用がかかり、リース代もかかりますが、インターネットFAXであれば、この費用は必要ありません。
また、従来は、受信と同時に印刷されることの多いFAX受信機が必要ないため、ペーパーレス化にもつながります。
実際、受信したFAXのなかにはDMなどの不要なものもありますので、インターネットFAXで必要な案件のみをプリンターで印字すれば、とても経済的です。
さらに、インターネットFAXは、インク代やトナー代、常に受信できるよう電源を入れておくためにかかる電気代なども節約できます。
もし、レンタルオフィスのオフィスを引っ越した場合でも、FAX番号をそのまま使用できますので、番号変更にかかる費用も必要ありません。
インターネットFAXの便利なポイント
続いてコスト面以外にインターネットFAXが便利なポイントですが、大きく分けて2つあります。
ひとつめの便利なポイントは、インターネットFAXはさまざまな場面でアクセスがしやすいことです。
これまでは、専用の受信機でFAXを受信することが多く、外出先では確認できませんでした。
しかし、インターネットFAXは、営業中でも、出張中でも、海外旅行中でも、インターネットにつながる環境さえあれば、利用することができます。
もちろん、オフィスが無人となる夜や週末なども、インターネットFAXであれば、いつでもどこでも送受信が可能です。
つぎに、便利な点は、データの管理ができることです。
これまでは、受信したFAXで重要なものは、ファイルで保管することが一般的でしたが、インターネットFAXの場合には、内容をデジタルデータで管理できます。
過去に受信したFAXを確認したいときも、デジタルで保管されたデータを探せばよいので効率的ですし、紙ベースのデータで紛失してしまうことも避けられます。
おすすめのインターネットFAXは?
そんな便利で経済的なインターネットFAXですが、サービス会社によって特徴があります。
ここでは、特におすすめしたいインターネットFAXを2つご紹介します。
03FAX
03FAXは、スマートフォンのアプリでFAXを送受信できるインターネットFAXです。
インターネットFAXの便利な点や経済的な面はそのままに、「全国44都市の市外局番に対応」「月500枚分の送り放題プラン」など多くの特徴を持つサービスです。
また、情報が漏えいしたり不正で利用されないよう、通信時の情報は暗号化され、登録された端末以外では利用できませんので、セキュリティ面でも安心です。専用の端末を変更したい場合には、管理画面から変更できます。
そして、一般的なFAX受信機に比べて、画質がクリアで読みやすいことも特徴の1つです。
このほか、03FAXには、下記の8つの機能があります。
1)受信データをクラウドに保存できる。
2)着信拒否を設定できる。
3)電話帳と連携できる。
4)代表FAX番号のほかに追加IDのオプションがある。
5)定額送信オプションがある。
6)番号を移転できる。
7)FAX機でも利用できる。
8)音声通話サービスに切り替えることができる。
なお、この03FAXは条件を満たしていれば、現在のFAX番号をそのまま使用し、オフィス環境をほとんど変更することなくインターネットFAX化することができます。
メッセージプラス
メッセージプラスは、月額950円(税別)、年払いプランでの月額792円(税別)で利用できるインターネットFAXです。
メッセージプラスは、下記の6つの機能を全てバランス良く、ハイレベルで備えていることが特徴です。
1)留守番電話
2)手書き機能
3)クラウドとの連携
4)スマートフォンでの利用可
5)送信
6)受信
メッセージプラスは、メッセージプラス利用者同士であれば、送信料金がかからないというメリットもあります。
また、タブレット端末やスマートフォンの場合には、アプリをインストールしたり、Webブラウザを立ち上げることもなく、着信状況を確認できます。
さらに、「メッセージプラス」は、Webブラウザを使って管理されているため、ご自身のパソコンでなくてもアクセスできますので、ネットカフェやホテル、ビジネスコンビニなどの備え付けのパソコンでも送受信履歴を確認できます。
もちろん、セキュリティの面でも、FAXや伝言はパスワードで保護されますので、社内・社外の他の人に見られては困るような書類が閲覧されてしまう心配もありません。
そんな「メッセージプラス」は、誤送信を未然に防ぎ、気づきやすいように設計されているため、信頼を失うなどのリスク軽減にもつながります。
まとめ
いかがでしたか?仕事環境の整ったオフィスを低価格で借りることのできるレンタルオフィスですが、どのような形態で利用するかによっては、FAXの送受信が不便なこともあるようです。
そんなとき、インターネットFAXを利用すると、便利なだけでなく費用も経済的で、仕事を効率よく進めることができます。
起業を考えていらっしゃる方や、レンタルオフィスでの通信手段を検討していらっしゃる方は、ぜひインターネットFAXを活用してみましょう。