WindowsのFAX機能を使うには?必要機器やその他のFAX利用方法を紹介

Windowsのパソコンで作成した書類をFAXで送ってほしいと言われた時、大抵はプリンターで印刷してから、機械を使って送っていると思います。

たいした手間ではありませんが、そのままWindowsのパソコンで送ることができたらとても便利ですよね。

しかし、Windowsのパソコンでメールの送信や受信をすることはあっても、FAXを送るとなると、どんな仕組みなのか、どうやってするのかが分かりません。

そもそもWindowsのパソコンから、FAXの送信や受信はできるのでしょうか?

この記事では、Windowsの機能を使ってFAXの送受信ができるのか、またその方法などをご説明していきます。

 

WindowsのPCでFAXは送受信できる?

FAXは、文書や図面などの画像を音声信号に変換することで、電話回線での送受信ができるようにしたものです。

受信機側では、受け取った音声信号を画像データに再度変換して紙に出力します。

ですから、結論としては、音声信号に変換したり、音声信号をパソコンで閲覧できるデータに変換することができれば、Windowsのパソコンからでも送受信ができるということです。

仕組みがわかったところで、実際にWindowsのパソコンで送受信するための方法をご紹介します。

 

Windowsの標準ソフトでFAXを送受信する方法

Windowsのパソコン上で、メールと同じような感覚で送受信することができる、Windowsの標準ソフト「Windows FAXとスキャン」を使ってFAXを送受信することができます。

実際にこのWindowsの標準ソフトを使う際に必要なものと、その設定方法をご紹介します。

標準ソフトは、Windows10や、Windows8/8.1、Windows7に標準搭載されています。

 

用意するもの

設定の際に用意するものは大きく2つあります。

 

1つ目はアナログモデム(FAXモデム)です。

このモデムが音声信号に変換したり、受信した音声信号を画像データに再変換してくれます。

Windowsのパソコンには、現在ほとんどアナログモデムは搭載されていないため、新たに購入が必要です。

マザーボードに取り付ける内蔵タイプと、取り付けの簡単なUSB接続の外付けタイプがあり、安価なものでは数千円から購入することができます。

 

そして2つ目は電話回線(一般加入電話、IP電話、ひかり電話など)とモジュラーケーブルです。

Windowsのパソコンに取り付けたアナログモデムを、モジュラーケーブルで電話回線につないで使用します。

 

設定手順

まずWindowsのパソコンにモデムを接続し、モデムのドライバをWindowsのパソコンにインストールした後、以下の手順に沿って設定します。

 

<1>モデムの設定

①コントロールパネルから【電話とモデム】を開く

表示方法が「カテゴリ」になっていると【電話とモデム】が表示されないため、大小いずれかのアイコン表示に変更してください。

Windowsのバージョン別のコントロールパネルの格納場所は、以下の通りです。

・Windows 10の場合…【スタート】ボタン→アプリ一覧の【Windowsシステムツール】内
・Windows 8/8.1の場合…スタート画面の左下を右クリック
・Windows 7の場合…【スタート】ボタン

検索ボックスに「コントロールパネル」や「電話とモデム」と直接入力する方法もあります。

 

②所在地情報を入力する

「電話とモデム」画面が表示されたら、【ダイヤル情報】タブになっていることを確認し、【新規】ボタンを押して「新しい所在地」画面の【全般】タブで設定していきます。

一度も設定したことがない場合は「電話とモデム」画面ではなく「所在地情報」画面になりますが、同じように設定していきます。

1.【国名/地域名】「日本」になっていることを確認します。
2.【市外局番/エリアコード】使用する回線の市外局番を入力します。
3.【ダイヤル方法】トーンかパルスか選択します。

契約している電話回線がプッシュ式回線の場合は「トーン」、ダイヤル式回線の場合は「パルス」を選びます。

どちらかわからない場合は、ご契約の電話会社に問い合わせるといいでしょう。

またモジュラーケーブルを一度電話機につなぎ、受話器を耳に当てて番号をプッシュした時の音で判断する方法もあります。

「ピポパ」ならプッシュ式、それ以外(ブツブツブツ、ジーコロコロ等)であればダイヤル式です。

 外線発信番号、電話会社の識別番号などは、設定する必要がある場合のみ入力します。

 

③モデムドライバの動作確認をする

まずは「電話とモデム」画面の【モデム】タブで、モデムドライバが正常にインストールされているか確認します。

モデム欄にドライバ名が表示されていない場合は、【追加】ボタンを押してモデムドライバを追加します。

「ハードウェアの追加ウィザード」画面が出るので、指示に従って追加すると、モデム欄にドライバの名称と接続先が表示されます。

「接続先」が「存在しません」となっている場合は、モデムが正しく接続されていない可能性があるので、接続を確認します。

次に、追加したモデムを選択した状態で【プロパティ】→【診断】タブの【モデム照会】を押して、モデムが正常に動作するかどうかを確認します。

1行目の「コマンド」欄に「ATQ0V1E0」、「応答」欄に「成功」と表示されていれば正常に動作しています。

表示されていない場合は、モデムのメーカーに問い合わせましょう。

 

<2>FAXの設定

①【Windows FAXとスキャン】を開く

Windows FAXとスキャン】の場所が各バージョンごとに違うため、それぞれ以下をご確認ください。

 

・Windows 10の場合

【スタート】ボタン→アプリ一覧から、【Windows アクセサリ】→【Windows FAXとスキャン】の順に開きます。

検索ボックスにソフト名を入力した場合も【Windows FAXとスキャン】が表示されますので、クリックして開きます。

 

・Windows 8/8.1の場合

スタート画面を表示し、【すべてのアプリ】から【Windows FAXとスキャン】を開きます。

 

・Windows 7の場合

【スタート】ボタン→【すべてのプログラム】→【Windows FAXとスキャン】を開きます。

 

②FAXアカウントの設定をする

1.【ツール】→【FAXアカウント】→【追加】ボタン→「FAXのセットアップ」画面で【FAXモデムに接続します】を選択します。

2.任意のモデム名を入力して【次へ】を押します。

3.FAXの受信方法は【自動的に受信します(推奨)】を選択します。

「Windows セキュリティの重要な警告」が表示された場合は【アクセスを許可する】を選択してください。

 

③アカウントを確認

1.「FAXアカウント」画面に戻るので、アカウント名(任意のモデム名)、サーバー、状態が表示されているか確認し、【閉じる】ボタンを押します。

2.「Windows FAXとスキャン」画面が表示されますので、右下に【すべてのFAXアカウントにアクセスできます】と表示されているかを確認します。

以上で設定が完了です。

 

Windows標準ソフトを使う場合のメリット・デメリット

Windowsの標準ソフトを利用する場合のメリットは、これまでFAX機で使用していた電話回線をWindowsのパソコンに取りつけたアナログモデムに接続すれば、FAX番号を変えずにそのまま継続して使うことができることです。

また、Windows FAXで必要なアナログモデムは小さく、数千円から購入することができるため、導入コストが格段に下がりますし、広い設置スペースも不要です。

 

しかし、以前はアナログモデムがWindowsのパソコンに標準搭載されていましたが、近年はあまり利用しないため馴染みがありません。モデムの設定はやや専門的でハードルが高く、その点はデメリットに感じられます。

また、従来のFAX機と同じで、Windowsが起動していないと受信そのものができません。そのため、パソコンを常に起動させておかなければなりません。夜間や休日など社内が無人になる時間帯は、セキュリティ面でも不安が残りますね。

回線が足りなければ増設が必要になりますし、Windowsのパソコン1台ごとに手動で設定しなければなりません。

WindowsのFAX機能を個人で利用する場合、固定電話回線を引いていないケースでは、新たに回線契約が必要になる点にも注意が必要です。

 

より便利な方法「インターネットFAX」とは?

Windowsの標準ソフトを利用する方法は、従来の送受信方法と比べると導入コストも低く手軽な事がわかりました。

しかし一方、不便に感じる部分もありますよね。

そこで、WindowsのパソコンでFAXを送受信する2つ目の方法として、「インターネットFAX」をご紹介します。

インターネットFAXは、前項にてご紹介した「Windows標準ソフトを使う方法」よりも、さらに利便性が高いと、近年注目されているサービスです。

 

インターネットFAXのメリット

インターネットFAXの大きなメリットの1つが、インターネット環境があればFAXの送受信ができるといった点です。

ネットに接続できる端末であれば、Windowsのパソコンだけでなく、スマホやタブレットでも利用できますし、ネット環境さえあれば屋外でも送受信が可能です。

専用回線が不要なため、複数のパソコンで利用したい場合でも増設しやすいのではないでしょうか。

さらにインターネットFAXは、サービス提供元のサーバーで、自動的に音声信号への変換や受信した信号の再変換を行うため、自分でモデムを用意したり、面倒な設定をする必要がありません。

1度サーバーを介するので、受信のためにパソコンを常時起動させておく必要がないのも嬉しいメリットです。

 

おすすめのインターネットFAXサービス

インターネットFAXは、いまや様々なサービス会社から提供されています。

独自のシステムなどもあって、どのサービスを選ぶべきか迷ってしまいますね。

利用状況に合わせたサービスを選ぶことが大切ですが、選ぶ際のポイントの1つは、お試し期間を設けているかどうかです。

使いにくさや必要な機能がついていないことに気づいても、実際に導入した後での変更は難しい場合もありますよね。

導入前にお試しできる期間があれば、実際の使用感もわかり、検討しやすいのではないでしょうか。

ここでは、特におすすめのサービスを2つご紹介します。

 

03FAX

03FAXはブラウザやスマホアプリでのFAX送受信に特化した、受信料無料のサービスです。

インターネット経由で送受信ができることはもちろん、スマホで撮影した書類でもFAX用に最適化して、そのまま送信することが可能です。

もちろん先ほどご紹介したお試し期間もあり、初回申し込み時に「0円スタートプラン:利用する」で申し込むと、申し込みから最大30日間無料で利用できる「0円スタートキャンペーン」を実施しています。

キャンペーン利用期間中でも枚数制限なく受信可能なうえ、1日1回送信も可能です。

パソコンでの送受信にも対応しており、固定電話番号ポータビリティ(ナンバーポータビリティ)や該当地域であれば市外局番から始まるFAX番号を取得できるなど、企業に嬉しいオプションも充実しています。

 

eFax

eFaxは、Eメールを利用してFAXの送受信ができるサービスです。

メールアドレスを登録すれば、そのアドレス宛にメールに添付される形でデータを受信することができ、送信も通常のメールと同じように、送りたい書類を添付して送信するだけの手軽さです。

普段使用しているメーラーを使って、メールと同じ感覚でFAXの送受信ができるので、新しい操作方法を覚えることに不安がある方でも、安心して導入することができるのではないでしょうか。

またスマホアプリも展開されているので、メール機能よりアプリを使う機会が多いという方でも、導入しやすくなっています。

こちらのサービスも30日間無料で利用できるトライアルキャンペーンを実施していますので、使用感を確かめてから導入することができますね。

 

まとめ

Windowsのパソコンを使ったFAXの送受信方法をお伝えしてきましたが、いずれの方法もそれぞれメリットがあり、またデメリットもあります。

Windowsの標準ソフトは、メールのような操作で送受信ができる一方、設定などの手間や増設のしにくさといったシンプルゆえの不便さがあります。

インターネットFAXは機能も様々で手軽に導入ができ、どこでも操作できる利便性が大きな特徴ですが、そのサービス維持のためにはある程度のコストも必要になってきます。

どの方法を選ぶ場合でも、判断材料は多いほうが決めやすいですね。

その判断材料の1つとして、今回ご紹介した内容も参考に検討してみてはいかがでしょうか。