様々なビジネスツールのオンライン化が進むなか、FAXを利用している企業も多く残っています。
しかし、リモートワークや業務のオンライン化が加速するこのタイミングで、インターネットFAXの導入を検討している企業も増えているでしょう。
外出先や移動中、オフィスの外でFAXの送受信をしたい場面も出てきています。
そこで気になるのが、既存のFAXからインターネットFAXに移行する場合、既存の番号はどうなるのか、という点ではないでしょうか。
現状のままでいいのか、新たに取得する必要があるのかなど、疑問点が出てきます。
本記事では、インターネットFAXで取得できる番号はどのように決まるのかを紹介していきます。
目次
インターネットFAXで取得できる番号
インターネットFAXは、機器を必要としないオンラインサービスとなるため、その地域に住んでいなくても、好きな地域の市外局番を取得することができる場合もあります。
全国の市外局番、050番で始まるもの、020番で始まるものなど、インターネットFAXで取得可能な番号がいくつかあります。
インターネットFAXについて、それぞれ詳しく見ていきましょう。
都市の市外局番
例えば起業するとき、番号が都市の市外局番であれば見栄えもよく、名刺を作成する際に信頼感を感じることがあります。
IP電話の050番はビジネス上では、悪いイメージを持たれる可能性もあるので、市外局番の方が信頼を感じてもらえるというメリットもあります。
また会社の電話と同じ市外局番にしたいという場合もあります。
03FAX、eFax、秒速FAX、jFaxなど、FAX番号を東京03番で取得できるインターネットFAXサービス会社は多くありますが、他の都市部、大阪の06番や、千葉、埼玉、神奈川などの地域は取得できるインターネットFAXサービス会社は少ないでしょう。
050の番号
インターネットFAXが普及した当初は、050から始まるIP電話用のみとなっていました。
050番はNTTのひかり電話やKDDIのauひかりなど、従来のアナログ回線の電話ではなく、ブロードバンド回線を利用する電話で、「全国共通で使える」というメリットがあります。
例えば、市外局番の方を取得してしまうと、オフィスの移転や自宅を引っ越しした際に、住所、電話、FAX番号が一致しなくなる場合があり、取引先などに不信感を抱かれてしまうかもしれません。
そのため将来移転の可能性がある場合は、050番を取得しておくと全国共通なので変更手続きの手間もなくなります。
020の番号
020番から始まる番号は、あまり馴染みがないかもしれませんが、ポケベル回線の電話番号です。
この020番を使えるのは一部のサービスのみとなります。
「D‐FAX」というインターネットFAXサービス会社も、そのうちのひとつです。最初に「新規登録手数料」がかかるだけで、インターネットFAXを受信するだけであれば、月額利用料が無料になるため、FAX送信を使わない企業にとっては、コストが安くすみます。
市外局番や050以降の番号は?
市外局番や050番が決まったら、それ以降の番号も選べるかどうかが気になるところです。
一度決まったら、長く使い続けるので気に入ったものや覚えやすいもの、印象に残る番号を選びたいですよね。
ほとんどのインターネットFAXサービス会社は、番号は決められませんが、いくつかの選択肢の中から選ぶことができます。
メッセージプラスでは選択ができずランダムで決まり、eFaxは、40件程度の選択肢があり一番選択肢の種類があるなど、インターネットFAXサービス会社によって選択肢の有無は異なります。
そのため、好きな番号にしたい方は、選択肢が多いインターネットFAXサービス会社にするといいでしょう。
FAX番号の変更にはデメリットも多い
いざインターネットFAXを導入しようとする際、懸念する点は、既存のFAX番号から変更されてしまうことではないでしょうか。
基本的に既存のFAX番号はそのまま継続することができず、新しいものが発行されます。
ここでは、インターネットFAXを導入する際のデメリットを挙げていきます。
・さまざまな会社情報の変更
電話やFAXは会社にとって重要なものであり、あらゆるところに記載されています。
そのため変更があった際には、ホームページ上の会社情報、メールの署名欄、社員の名刺、封筒などすべてを変更しなければならなくなり、とても手間がかかります。
そのためインターネットFAXに変更した場合、連絡を忘れてしまうと、顧客や取引先との連絡ミスが起きてしまい、信用問題に発展しかねません。
・顧客や取引先への変更通知
主にFAXを使って仕事をしている顧客や取引先には、すぐに変更を伝えなければなりません。
しかし、急に変更の連絡をすると業務の内容によっては間に合わなくなるので、番号の変更連絡は余裕をもって行いましょう。
また番号変更の通知をしても、相手が認識できてないこともあるので、少しの間は古い方に送付されてくる可能性もあります。移行期間を設けてフォローや代替策をとる必要があります。
・050の番号ではエラーが起きる場合もある
IP電話用の050番は、エラーが起こりやすいと言われています。
インターネットFAXサービス会社や利用しているタイミングにもよりますが、IP通信の特性上、通信が不安定になるなど受信エラーが起こることがあります。
ビジネス用として使用する場合は、特に注意をしましょう。
・固定電話番号との違い
050番に変更した場合、固定電話のとの違いが生じます。
050番はあまりビジネスでは使われないため、ホームページや名刺を見たときに、見栄えがよくなく、信頼性に欠けてしまう恐れもあります。
現在のFAX番号をそのまま使いたい場合は?
上記のように番号を変更すると、さまざまなデメリットが生じる可能性があります。
他にも会社情報を変更する際、名刺や封筒の刷り直しや、ホームページの変更にコストがかかってしまいます。
インターネットFAXは基本的には現在使っているFAX番号の継続はできませんが、既存の番号からスムーズに移行できる方法もあります。
ここでは、3つの方法を紹介していきます。
番号移転サービスの利用
インターネットFAXサービス会社によっては、既存の番号のまま移行ができる、ナンバーポータビリティというサービスの提供があります。
番号の変更がなく手間もかかりませんが、移行ができる市外局番が決まっていたり、初期費用がかかったりとデメリットもあります。
電話転送サービスの利用
先ほど紹介したナンバーポータビリティのサービスに適さなかったり、市外局番の地域や現在の契約では適さなかったりした場合におすすめなのが、電話転送サービスです。
既存の番号へ届いたFAXを自動的に転送できるため、それまでの番号を継続して使用することができます。
しかし、インターネットFAXサービスの利用料金として転送固定費用である月額利用料金が必要な場合が多く、受信するたびに転送通話料が発生するデメリットもあります。
受信が多い場合は割高になってしまいますが、送信が多ければ一般の回線より安く利用することができます。
主な電話転送サービスとして以下が挙げられます。
・NTT→ボイスワープFAX転送
・ソフトバンク→多機能転送サービス
専用機器を使う方法もある
さきほどの2つのサービス以外に、専用の機器を使って、既存の番号を移行できるサービスもあります。
それは「FNX e-受信FAXサービス」というもので、受信、編集、閲覧返信をWEBで行えるインターネットFAXサービスです。
クラウドシステムによるドキュメント管理もでき、仕分け作業もパソコンから行えます。
また専用のアダプタをFAX回線に接続するだけで、簡単に利用でき、何枚受信しても追加料金や、初期費用もかからないのでおすすめです。
こだわりの番号を使うなら!おすすめのインターネットFAX
インターネットFAXを契約する際には、既存の番号がそのまま使えるものや、新規取得の場合でも多くの選択肢から選べるものなど、番号にこだわれるサービスが使いたい方もいらっしゃると思います。
そんな方におすすめのインターネットFAXサービス会社を紹介していきます。
番号移転・47都市の市外局番が利用可能『03FAX』
03FAXは、2019年6月からサービスが開始され、パソコンやタブレットがなくてもスマホから送受信ができるインターネットFAXサービス会社です。
月額1,980円で受信無制限、送信は500枚まで無料になります。
気になる番号は、日本国内47都市(東京03、横浜045、千葉043、名古屋052、大阪06)などの市外局番か、050から始まるIP電話用の全国共通の番号が選べます。
03FAXを申し込む際に利用する住所を入力すると、その地域に該当する市外局番が設定されます。
該当する市外局番がない場合は050番が設定される仕組みになっています。
市外局番以降の番号については、いくつかの選択肢から選ぶことができ、050番を選んだ場合もそれ以降は、25~50通りの中から選べます。
しかし、好きな市外局番を選べるわけではないので注意しましょう。
03FAXにはオプションが豊富にあり、固定電話番号ポータビリティ(ナンバーポータビリティ)サービスもあるので、条件を満たしていれば既存の番号のまま継続することもできます。
利用できるケースとしては、NTT東西で加入電話またはISDNで発番されたもののみ移転可能となります。
その場合、初期費用として3,000円、月額で1,100円の利用料がかかります。
57都市の市外局番が使える『eFax』
eFaxは、世界1,200万人が利用している世界最大のインターネットFAXサービス会社です。
月払いプラン(1,500円/月)と年払いプラン(18,000円/年)が選べます。
また受信も送信も毎月150枚までなら無料というとても嬉しいサービスがあります。
最大の強みとして、インターネットFAX番号を膨大に保有しており、世界46カ国、3,500都市の番号が選べます。
日本国内では東京03、大阪06はもちろんのこと、47都道府県57都市の市外局番から選べます。
050番から始まるものも選べ、居住地に関係なく市外局番が選べるのは、インターネットFAXサービス会社のeFaxだけです。
市外局番以降の番号は、約40通りの候補の中から選ぶことができます。
8種類の番号から選べる『秒速FAX』
秒速FAXは、送信専用の「秒速fax」と受信が可能な「秒速fax Plus」の2つのサービスがあるインターネットFAXサービス会社です。
秒速faxは送信専用なので、受信するためのFAX番号の取得はなく、初期費用も月額料金も発生しないので、送信枚数に応じて料金が発生する従量課金タイプのサービスです。
受信も利用する場合は、秒速fax Plusの契約が必要です。
初期費用は1,100円で、その他はプランごとに料金は異なり、気になる番号は8種類から選ぶことができます。
日本国内の主要都市7つの市外局番・東京(23区)03・埼玉(さいたま市)048・千葉(千葉市)043・神奈川(川崎市)044・神奈川(横浜市)045・愛知(名古屋)052・大阪(大阪市)06から選べます。
それ市外局番以降はリストが出てくるため、選択して決めることができます。
またナンバーポータビリティのサービスも利用できます。
ナンバーポータビリティ可能なものは上記、主要都市の7つのみです。
契約時にNTTのアナログ回線かINS回線で取得された番号でなければならず、現在の契約がKDDIやソフトバンクであっても、利用開始時がNTTであれば、サービス適用になります。
ナンバーポータビリティには、1番号につき1回8,980円の手数料がかかります。
まとめ
インターネットFAXを導入する際に気になることは料金や機能、そして番号の選択肢などさまざまです。
インターネットFAXも電話と同じように長く使い続けるので、気に入ったものを選びたいですよね。
携帯電話を新しくするときも、電話番号が変わらないようにしたいのと同様に、インターネットFAXの番号を既存と変えたくない場合は、ナンバーポータビリティというサービスもあるので、検討してみるのもいいでしょう。
市外局番が選択できたり、それ以降も選択ができたり、インターネットFAXには多くの種類があります。
それぞれメリット、デメリットがありますので、インターネットFAXサービス会社を利用する際には、事前に比較検討をしてください。